2007年5月、翌月にバリ行きを控えたわたしにバリ在住のMちゃんからメールが入った。

「今バリではデング熱が大流行で、デンパサールの病院はどこも満室。」という。

デング熱・・・・

デング熱を媒介する蚊に刺され、発症すると高熱がつづき、ひどい場合には毛穴から出血、

2度目には死ぬと言われているキョーフの熱帯病である。

すでにバリでは子供やお年寄りを中心に死者も出ているという。

同じように蚊にさされて発症する熱帯病・マラリアにかかったことのあるわたしはおののき、

さっそくハーブの香りで蚊を寄せつけないという芳香剤みたいなやつを買い、スーツケースに忍ばせた。

バリに着いてみると、さすがにもう乾季にはいっているため、蚊は極端に少なかった。

3月に行ったときに、足元に無数の蚊が群がっていて「ぎゃーっ」と叫んだのとは大違いだった。

とはいえ、まったくいない訳ではなく、いつものように足首あたりを中心に10ヶ所くらいはしっかり刺された。

ベットの下に置いた虫除け芳香剤は、ハーブの香りでわたしを癒してはくれたが、

蚊を退けてはくれなかったのだ。

ところで、わたしは虚弱体質である。

暑さで体力の消耗が激しいバリでは、毎度のように何かしらの病気になったりするのだが、

今回のバリではめずらしく体調がよかった。

よく食べ、よく寝て、絶好調だったのだ。

ところが・・・・・

バリに来て2週間近くたったある日の朝、なんだか自分の身体がヘンなのに気付いた。

身体全体が妙にだるくて、どーんと重いのだ。

「やばいなぁ・・・熱でるなぁ・・・」

と思っていたら、やっぱりその日のお昼には発熱し、体温はあっという間に38度をかるく越え、

ついには39度も突破してしまった。

いつものようにとりあえずローカルの医者へ行ってみたが、

ただの風邪や疲れにしては熱が高すぎるので、翌日には日本人経営のクリニックに行き

血液検査をしてもらった。(ローカルのクリニックでもできるが)

翌日、血液検査の結果が出て、わたしはデング熱と診断された。

すでに腕などにうっすらとまだら模様のようなものが出ていて、間違いないだろうと思っていたので

驚きはなく、「やっぱり・・・」という感じだった。

ところで、デング熱に有効な治療法はないらしい。

治るまでひたすら点滴を打ち続け、養生するだけだ。

というわけで、わたしはデンパサールの病院で、生まれてはじめての入院をすることになった。

わたしが入院することになったのは、

「PRIMA MEDIKA HOSPITAL」という病院だ。

ある人から、ホテルみたいで素晴らしい病院だと聞いていたところだ。

クリニックからの紹介状を持って救急で入ったわたしは

「部屋が空かない」といって2時間近く簡易ベッドで待たされた。

その間、いろんな人が入れ替わり立ち代りやって来ては

「熱は何度?」「いつから?」「吐き気はある?」「食べられる?」など

みんながみんな同じ質問をしてくるのでイラついた。

ようやく部屋に移動できる段になってひとりのスタッフが言った。

「熱さまし飲んだ?」

まだ、と答えると

「かわいそうに!こんなに熱が高いのに!」

すばらしい病院とはいえ、やはりここはバリなのだなぁ・・・。

これがわたしが入院していた部屋だ→

いちばん安い部屋が空かないということで、ひとつ上のランクの部屋に

なったとか、ならないとか・・・(よく分からなかった)

部屋にはベッドがふたつとソファがふたつ、

トイレとHシャワー、冷蔵庫、TVが完備。

部屋の料金にはメニューから選べる3度の食事と

10時と15時のおやつまで含まれているうえ、

さらに病院内にあるスパでのシャンプー券までいただき、

なんだか至れりつくせりといった感じだ。

 

この部屋でわたしは、点滴とつながったまま高熱と闘い、薬と注射をしこたま打たれ、

朝夕2回検査のために血を抜かれた。

採血は朝はやく、注射は夜中にも打ちにくるので、養生が必要だというのにおちおち寝ていられない。

今思えば、デング熱に有効な治療法はないのだから、あの高額な薬と注射は必要なかったはずだ。

保険があったので自分の腹は痛まなかったとはいえ、「やられた!」という感じである。

しかし、病院のスタッフはみな明るく朗らかで親切、しかも可愛かった!

見舞いに来たバリ人の友人(男)は、「看護婦がかわいい!」と言って、

それ以来、わたしの見舞いをよそおって、まいにち看護婦を見にくるようになったほどだ。

さて、入院したものの、わたしの熱はなかなか下がらず、

入院前からうっすらと出ていたまだら模様は、いったん真っ赤になり全身に広がった。

バリ人とちがって皮膚が白いので、きっと赤さが目立ったのだろう、

看護婦たちも「これはひどいねー!」と一様に驚いていた。

真っ赤だった皮膚は、時間とともにまたまだら模様に変わっていった。

これは、いちおうデング熱が治ってゆく過程で見られるものらしいのだが、

発疹などがあるわけでもないのに、痒いのだ。

わたしの場合は足首から下にいちばん強く現れ、痒くて夜も眠れないほどだった。

結局、このまだら模様が完全に消えるまでには、2週間くらいの時間がかかった。

ところで、デング熱と診断された時、血液検査のある数値が90くらいだったと聞いていた。

PRIMA MEDIKA に入院したあと、その数値は60→40→26と順調に下がっていったので、

わたしはこれを回復に向かっていると思っていた。

ところが、ある日看護婦がポロっと言った言葉にわたしは驚いた。

「ノーマルは150くらい」

なんと、わたしは回復に向かってるのではなく、悪くなっていた!

ちなみにその数値は血小板の数だったことを後から知ったのだが・・・

あのー、血小板26って、ヤバくないですか?

その後、くすりを変えて熱が下がったわたしは

食べられるようになり、みるみる回復していった。

血小板の数値もぐんぐん上がり、120になったところで退院を許された。

入院から6日目のことだった。

退院時にわたしがPRIMA MEDIKA に支払った入院費は、なんと、Rp.20.375.874!!!(30万円弱)

クレジットカードと旅行傷害保険のありがたみをこれほど感じたことはなかった・・・。

ところで、デング熱に2回なると死ぬと言うのは誤りだそうだ。

デング熱にも幾つか種類があり、血液検査で特定はできないが、出血性のものがいちばん危険らしい。

(ちなみにわたしは下からの出血も少々あったのだが、あまり相手にされなかった)

帰国後、PRIMA MEDIKA が出してくれた診断書をみていたら、

病名のところに「DHF Grade1」と書かれていた。

DHFはデング熱のことだが、Grade1とは・・・・・???

いちばん軽症だったのか、重症だったのか、さだかではない。

 

PRIMA MEDIKA HOSPITAL

Jl. Raya Sesetan 10X  Denpasar  Bali

Tel: 0361-257445 / Fax: 0361-257448

http://www.primamedika.com

バリ タケノコ診療所

Kompleks Ruko Gria Sanur No.3

Jl. By Pass Ngurah Rai  Sanur ( KFC前)

Tel: 0361-284222 / Fax: 0361-283840

http://www.takenokobali.com

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